中堅社員対象「カンファレンス」 - 新潟日報LEADERS倶楽部2021

新潟日報LEADERS倶楽部中堅社員対象「カンファレンス」


信頼されるリーダーになる!〜いい影響を与えるリーダーのあり方とは〜

次世代を担う人材育成を目的とした「新潟日報リーダーズ倶楽部 中堅社員対象 カンファレンス」。昨年に引き続き、対面とオンライン
の2本立てで開催されました。新潟日報メディアシップ分館メディアプラスで行われた対面研修には15人が、オンライン研修には22人
が参加。リーダーに必要とされる感情のコントロールやモチベーションマネジメントなど、すぐに使える実践的なヒントを学びました。

株式会社 こじま事務所 代表取締役 小松 弘美 氏

今年度のカンファレンスは「信頼されるリーダーになる!」がテーマ。講師の小松弘美さんは初めに「リーダーとの関わり、上司の言葉で人生が変わった経験がありますか?」と参加者に問いかけます。小松さん自身は過去に上司から「あなたは人前で話す仕事が向いているんじゃない?」という言葉を掛けられ、現在の道へ。「リーダーの言葉には運命を開くきっかけになるものがあります。中堅社員の皆さんも、若手社員の未来を変えていくリーダーになりましょう」と参加者を激励しました。

氷山モデルで学ぶ「行動を押し上げるもの」  氷山を描いたスライドがスクリーンに映し出されます。海面から見えている氷山には「行動」の文字。海面の下に隠れている部分(理念や行動指針、価値観、チームワークなど)が下支えし、行動として表れているのがわかります。例えばその一つが「心理的安全性」。「ここにいていい、受け入れられていると思える場であること。職場がいろいろな思いが語れる自由な場であり、社員の居場所であることが大事です」。こうした目に見えない部分が行動につながり、組織の成長にも関連すると語りました。

生徒たちの地域の課題解決ワークショップ   氷山を描いたスライドがスクリーンに映し出されます。海面から見えている氷山には「行動」の文字。海面の下に隠れている部分(理念や行動指針、価値観、チームワークなど)が下支えし、行動として表れているのがわかります。例えばその一つが「心理的安全性」。「ここにいていい、受け入れられていると思える場であること。職場がいろいろな思いが語れる自由な場であり、社員の居場所であることが大事です」。こうした目に見えない部分が行動につながり、組織の成長にも関連すると語りました。
  そしてマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した「組織の成功循環モデル」を紹介。関係の質・思考の質・行動の質・結果の質、これらを好循環させることで組織は継続的に成長していきます。そのためにはまず、良い関係性をつくっていくことが求められると言います。
  「皆さんご存知のPDCAサイクルにあるのは、行動の質と結果の質の部分。そこに感情面を加えたのが組織の成功循環モデルです。まずはチームの関係性をより良くすることがとても大事なのです」。
  加えて感情の変化を成長につなげる「経験学習モデル」を提示。ある行動による成果や感情変化を「経験」した時、経験した事柄を「振り返る(内省)」。振り返りによって引き出された気付きをもとに、自分の言葉に「言語化」する。そしてそれによって物事を改善し、次の「実践」につなげるというものです。「上司が定期的に部下たちの聞き役になり、振り返りと言語化をサポートするのも有効です。皆さんもこれらのモデルを意識し、良いチームづくりにつなげましょう」と話しました。

リーダーに求められる「感情のコントロール」  うまくいくチームといかないチームの違いは「感情」であると小松さんは言います。日本企業には「職場に感情を持ち込んではいけない」「リーダーは感情に左右されてはならない」という古い風土、価値観があると指摘。「古い風土のままでは心理的安全は生まれません。自分の心持ちと向き合うことが、状況判断や意思決定の原動力だからです」。そこで必要になるのが感情、特に怒りのコントロールです。
 怒りに任せた行動で部下やお客さまからの信頼を損なう、上司へ不信感を抱き、後輩に八つ当たり。そしてチーム全体の雰囲気が悪くなり、自分自身が落ち込んで自己嫌悪…など、怒りのコントロールができていない状態での行動は良いことがありません。
 ここで再び登場した「氷山モデル」。「目に見える怒りの下には、寂しい、つらい、悲しい、嫌だ、不安、心配、後悔などネガティブな思いがあり、これらが怒りにスイッチを入れているのです」と小松さん。例えば渋滞にはまった時の怒り。これは間に合わないかもという「不安」、相手に迷惑をかけるかもという「心配」、楽しみにしていたのにという「悲しみ」が裏側にあります。「怒りの裏側にある本当の気持ちを探り、かっとなった時に出る興奮物質ノルアドレナリンが落ち着くまで6秒間は待つ。冷静になってから行動することで、『後悔しない感情選択』ができるでしょう」。
 怒りの出来事が起きた際の対処術を四つ教えてもらいました。

①心の中で点数を付けてみる:
 「この怒りは10点満点で何点?」などと意識をそらす
②一時的にその場からいなくなる:
 外の空気を吸いに行く、水を飲むなど
③深呼吸する:
 イライラしている時は呼吸が浅いので、意識的に行う
④前向きな独り言:
 怒りと向き合う言葉をつぶやく。「試練を乗り越えるチャンス!」 など

繰り返し練習すれば怒りもコントロールできるように。
心掛けてみてはいかがでしょうか。

リーダーは苦しい時こそ笑顔で! アメリカの臨床心理学者アルバート・エリスの「ABC理論」では、感情は出来事によって引き起こされるのではなく、その人特有の「ものの見方・心の癖・価値観」によって生み出されるとされます。
例えば部下から自分が経験したことのない相談を受けた場合。Aさんはリーダーとは常に頼られる存在でなければいけないと思い、焦りや気負いから形だけのアドバイスをして、結果的に部下からの信頼を損なってしまいます。Bさんは自分が「知らない」ことを開示し、部下と共に考えることで必要な支援ができ、信頼関係がさらに深まりました。
偏ったものの見方はさまざまな弊害を引き起こします。普段から無意識に「あいさつは部下からすべき」と考える人は、あいさつのない部下が許せず、怒りの感情にとらわれます。こういう偏ったものの見方を手放し「自分からあいさつしよう」と考える。イライラしない方向に進むリーダーは、周囲へ良い影響を与えることができます。良い関係性を保つことで、風通しの良い組織をつくることができるでしょう。
「どう見るか、どう捉えるか選択をするのは自分。私たちの目の前には、乗り越えられないことはやってきません。必ず乗り越えられると思って向き合ってください」。そして「リーダーは、苦しい時ほどニコッと笑っていきましょう!」と研修を締めくくりました。

授業の感想

  • 特に怒りのコントロールについて、納得・共感することが多く、学びが多くありました。異業種の方と同じような悩みを共有する機会にもなり、楽しく参加できました。
  • 仕事を行う上で怒りという感情をあまり表に出すなと教えられてきた私にとって怒りの仕組みや、その対処法、ため込まなくする方法が新鮮でした。
  • 怒りは2次感情であり1次感情を探る必要があること、また人には受け取り方の癖がそれぞれあることを学びました。すぐに生活で実践することができ、普段なかなか議論できない題材を他業種の方々と話し合うことができ実りある研修でした。

プロフィール

小松 弘美 氏

2005年よりコーチングを軸にマナー、リーダーシップなどの人財育成プログラムを提供。体験から得た気付きを多く盛り込んだプログラムは、管理職のマネジメント力強化、ハラスメント予防、次世代リーダー育成、働きやすい職場環境を整えるプログラム、家庭教育学級、働く女性を支援する講演・講座・研修として、製造業・建設業・総合病院・銀行・介護施設・学校などさまざまな業種での実績あり。